世田谷区 駒沢大学 駒沢あだち整形外科 骨粗しょう症

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骨粗しょう症治療

骨粗しょう症治療について

骨粗しょう症は加齢などの原因により、骨の量が減少したり、骨の質が劣化したりしてスカスカになり、もろくなってしまう病気です。
骨に含まれるカルシウムなどの量(骨密度)は若年期をピークに、年齢とともに減少していきます。この減少のため、背骨が体の重みでつぶれたり、背中が曲がったり、変形による圧迫骨折を来たしたり、ちょっとした転倒で骨折するといった事態などを引き起こしがちです。
現在、わが国で寝たきりになる原因の第3位が転倒による骨折ですし、介護が必要となる主な原因の10.2%が「骨折・転倒」によるものですから、要注意です。

女性に多い骨粗しょう症

骨粗しょう症は、ご高齢の女性を中心に年々増加しています。
骨粗しょう症患者の8割くらいは女性となっており、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌バランスが変化する更年期以降に多く見られます。閉経を迎える50歳前後から骨量が急激に減少し、60歳代では2人に1人、70歳以上になると10人に7人が骨粗しょう症になっていると言われています。
一方、偏食や極端なダイエット、喫煙や過度の飲酒、運動習慣なども骨粗しょう症の原因と考えられており、最近では、高齢の女性だけでなく、若い女性の骨粗しょう症も問題視されています。

骨粗しょう症の予防と治療

骨粗しょう症の原因には、年齢や性別、遺伝的な体質など、変えることの出来ない要素がありますが、食生活や運動などの生活習慣を見直すことにより予防と改善が可能です。

食事療法

骨粗しょう症の治療や予防に必要な栄養素は、骨の主成分であるカルシウムやたんぱく質、および骨のリモデリング*に必要なビタミンD、ビタミンKなどです。
カルシウムは食品として1日700~800mg、ビタミンDは1日400~800IU、ビタミンKは1日250~300μgをとることが勧められています。これらの栄養素を積極的にとりながら、バランスの良い食生活を送ることが大切です。
骨粗しょう症の人が避けなければいけない食品は特にありませんが、リンや食塩、カフェイン、アルコールはとり過ぎないように注意しましょう。

リモデリング:骨を壊すはたらきをする「破骨細胞」が骨を吸収する一方で、骨を作るはたらきをする「骨芽細胞」が、破骨細胞によって吸収された部分に新しい骨を作る代謝作用のこと。

各栄養素を多く含む食品

カルシウム
牛乳、チーズ、干しえび、しらす、ひじき、わかさぎ、いわしの丸干し、えんどう豆、小松菜、モロヘイヤ など

たんぱく質
肉類、魚類、卵、乳製品、大豆 など

ビタミンD
アンコウの肝、しらす干し、いわしの丸干し、すじこ、鮭、うなぎの蒲焼き、きくらげ、煮干し、干ししいたけ など

ビタミンK
納豆、抹茶、パセリ、しそ、モロヘイヤ、しゅんぎく、おかひじき、小松菜、ほうれん草、菜の花、かいわれ大根、にら など

運動療法

骨は、運動をして負荷をかけることで増え、丈夫になります。さらに、筋肉を鍛えることで体をしっかりと支えられるようになったり、バランス感覚が良くなったりし、ふらつきが無くなって、転倒を防ぐことも出来るため、運動療法は骨粗しょう症の治療に不可決です。
骨量を増やすためにはウォーキングやエアロビクスなど、中程度の強度の運動が効果的です。激しい運動をする必要はありません。散歩などを毎日あるいは週に数回、長く続けることが大切です。背骨の骨折を防ぐためには、背筋を鍛えるような運動が効果的です。

薬物療法

病気が進んだ場合には、運動療法や、運動療法に合わせて薬物療法を開始します。現在、使われている薬には、骨の吸収を抑える「骨吸収抑制剤」、骨の形成(新しい骨を作る)を助ける 「骨形成促進剤」、骨の栄養素である各種ビタミン(D、K)剤などがあります。どんな薬を選び、いつから薬物療法を始めるかは、患者様個々の年齢や症状の進み具合を考え合わせながら、医師が判断します。

  • 診療内容
  • 整形外科
  • リハビリテーション科
  • 骨粗しょう症治療
  • ロコモーティブシンドローム
  • 予防接種